フランス語コース

通訳者をめざす人のための上級フランス語

担当講師より

菊地 歌子

菊地 歌子

語学学校で本格的にフランス語の学習を始め、4年後に朝日新聞社主催フランス語弁論大会で優勝。副賞としてフランス国費留学生奨学金を受け、モンペリエ大学およびストラスブール大学に4年間留学。言語学修士、音声学博士課程修了。1986年に三浦信孝先生(現主任講師)に声をかけていただいたのを機に通訳の仕事を始める。慶應義塾大学湘南キャンパス専任講師を経て、現在関西大学外国語学部教授。

通訳者をめざす人のための上級フランス語は、本格的な通訳訓練を受けるにはフランス語能力が不十分な方を対象としています。授業は日本人とネイティブの講師が大体二週間毎に交代して行います。

日本人講師の授業では、自分が熟知している事柄だけでなく、初めて聞くニュースについても、一度聞いた情報の骨子を日本語で言えることをめざします。ニュースや講演会の音声を使い、リピート、情報把握、メモ取り、簡潔な訳作りなどの通訳訓練を部分的に取り入れた練習を行います。また通訳者の業務の7〜8割を占めると言われる語彙や背景知識の下準備を、音声素材と同じ内容のテクストで体験していただき、同時に時間・場所の表現や数字・単位など基本要素の体系的な復習、冠詞・前置詞・関係代名詞などの文法の復習も行います。

ネイティブ講師の授業では、短いニュース音声を使い、各テーマの語彙を習得し、正しい文章で情報を伝える練習を通して、ニュースのフランス語に慣れ、政治・経済などについて情報交換ができることをめざします。さらに口頭でのレジュメや、内容に関する質問に口頭で答える練習も行います。仕上げとして各自の録音音声を自宅で書き起こし、基本的な誤りの無いフランス語になっているかを確認します。同時に、自分の話し方の癖や発音を客観的に分析し、改善するきっかけとしていきます。

授業の主眼は不足しているスキルとその原因を把握し、それに向き合っていただくことです。ただし自覚できた弱点を克服するには、自宅での学習も必要です。適切な練習方法や、問題集・参考書を紹介しますので、改善・進歩に十分必要な時間を確保しましょう。

成績評価は、期末テストに授業の通常評価を加えて総合的に判断します。弱点を完全に克服できていなくても、本格的な通訳訓練を受けるのに支障のないレベルに到達した方は、通訳者養成コース基礎科への進級を推薦します。

これまでの勉強方法の問題点を認識し、フランス語運用能力を大幅に向上させたい方、そして将来通訳者になることを真剣にめざす方をお待ちしています。尚、単文でも文法の誤りが見られる方は、翻訳コース入門科でしっかり書く学習をお奨めしています。

フランス語通訳者養成コース(基礎科/本科)

担当講師より

フランス語コース主任。東京大学卒業、パリ大学留学。現在は中央大学名誉教授、日仏会館副理事長。 1970年代にパリで通訳を始め、帰国後は大学で教鞭をとるかたわら会議通訳者として活躍。政治・経済から文学・思想まで守備範囲は広い。 著編著に『多言語主義とは何か』『現代フランスを読む』『日仏翻訳交流の過去と未来』など。

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カトリーヌ・アンスロー

パリ第三大学国立東洋言語文化研究所日本語学科卒業後、東京外国語大学に国費留学。現在は、日本を中心に会議通訳者として活躍中。講談社野間文芸翻訳賞受賞。

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家族が囲む食卓で複数の言語の会話が飛び交うという家庭環境の影響もありましたが、パリ第三大学で日本語を専攻して、明治初期の日本における西洋文学の翻訳や翻案を修士論文のテーマに選ぶほど、翻訳に対して強い関心を持つようになりました。卒業後もパリで日本現代文学の翻訳に携わっていましたが、1985年に通訳の仕事も始めました。

拠点を日本に移した後、サイマル・アカデミーのフランス語コース開設にあたり三浦先生に声をかけていただき、それ以来、通訳者養成コースで日→仏訳を指導しています。授業では、通訳に不可欠なフランス語の正確さにこだわりながら時事問題の基礎知識や語彙を強化していきます。また、機械的に辞書に頼るのではなく、出席者全員が持っている表現のストックを活かしお互いにアイデアを出し合うことで、言葉に対する感覚を鋭敏にすることもめざします。通訳は無味乾燥な言葉ではメッセージの伝達に支障をきたします。生きた様々な表現に出会い、身につけることに興味のある方をお待ちしています。

小林 新樹

理系修士課程卒。教養課程で第二外国語に選んだ仏語に強く惹かれ、某大学在職中に念願のフランス留学を果した際には、本職よりも仏語学習に没頭。遂に不惑の年を以て通訳への転身を決意し、改めてパリ第三大学に留学後、主に経済・技術関係の仕事に携る。

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通訳の現場で仏語のセンテンスを耳にした時、趣旨がつかめなければ訳しようがなく、逆に趣旨が明確につかめれば分かりやすい日本語にできます。これは自明なことのように見えますが、実際には既知の単語が並んでいると何となく分かった気になり、具体的に何を言いたいのか把握しないまま訳してしまうことがあります。そもそも、具体的な趣旨がつかめていないことに気づいてさえいないかも知れません。このような場合、往々にして訳文はメモしきれた単語の意味を組み合わせただけになり、聞き手の頭にすんなり入るものとは言えません。

そこで私の授業では、Le Monde の経済記事を選んで精読し、「趣旨を具体的に把握する」とはどういうことか、実例によって体験していただきます。それをヒントに今後の勉強や仕事の際にも、常にセンテンスの具体的な趣旨を把握するよう心掛けていただき、聞き手に分かりやすい訳をアウトプットできる通訳になってくださることを期待しております。

宇都宮 彰子

サイマル・アカデミーのフランス語コースで2年半学んだ後、パリ政治学院 とパリ第3大学・通訳翻訳高等学院 (ESIT) に留学。卒業後、パリを拠点に通訳業に従事。2005年より国際会議通訳者協会 (AIIC) 会員。2006年に帰国。

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通訳というと訳出の方に目が行きがちですが、実際には、聞いている時が肝心です。聞きながら情報を理解・分析・整理して訳を考え、訳し始める時点では頭の中で訳がだいたいでき上がっている状態にしなければ、スムーズな通訳はできないからです。

授業では、仏語→日本語の通訳練習を中心に、この逐次通訳の基本となるスキルを学んでいただきます。正しい逐次通訳の基礎が身につくと、同時通訳に近いスピードで情報を処理できるようになります。そこから、本物の同時通訳まではあと一歩。本科では同時通訳の練習も行います。言うまでもなく、充分な聞取り能力がなければスキルの習得は望めませんが、ヒアリング力の向上には地道な努力が求められます。意欲と根気のある方をお待ちしています。

フランス語翻訳コース(基礎科/本科)

担当講師より

フランス語コース主任。東京大学卒業、パリ大学留学。現在は中央大学名誉教授、日仏会館常務理事。 1970年代にパリで通訳を始め、帰国後は大学で教鞭をとるかたわら会議通訳者として活躍。政治・経済から文学・思想まで守備範囲は広い。 著編著に『多言語主義とは何か』『現代フランスを読む』『日仏翻訳交流の過去と未来』など。

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翻訳コースでは、日本人講師が仏→日のversionの授業を担当し、フランス人講師による日→仏のthèmeの授業と隔週で交互に行います。毎回2週間前に翻訳すべきテキストを配り、その翌週に翻訳を提出していただき、講師が添削して授業時に模範訳とともに返却します。授業では、生徒の訳例を取り上げ比較しながら講評し、間違いやすい箇所を指摘したり、うまく翻訳できた箇所を紹介し今後の翻訳のブラッシュアップの参考にしていきます。

翻訳課題として取り上げるテキストは、新聞の論説やエッセー、小説などさまざまで、授業を通して多様な文体の翻訳に慣れていただきます。

仏→日方向で大事なのは、@語彙の知識、A文法的分析、B背景知識の三つです。@語彙の知識については熟語を含め単語の使い方を十分辞書で調べること、A文法的分析については代名詞が何を受けるかから始まり、SVOなど文型や挿入句、主節・従属節など構文を正確に分析すること、B背景知識については人名など固有名詞について日仏の百科事典を利用して調べることが必要です。背景まで含め十分理解できないと、こなれた翻訳はできません。そして最後に、翻訳が日本語として自然で筋の通った文章になっているかがポイントです。

逆に日→仏方向では、日本語のメッセージを正しく理解し、それをフランス語のロジックにどう移し替えるかが鍵になります。直訳してもフランス語として通じないことが多いので、ネイティヴの講師に添削してもらうことが上達への最良の近道です。ここでもフランス語の単語・熟語の知識、仮定や譲歩など使える構文のストックがものを言います。フランス語として自然な文章に訳すことができるようになるためには、良いフランス語をたくさん読んで言葉のバランス感覚を養うことが重要です。最後に、自分の翻訳を声に出して読んでみてください。気持ちよく読める翻訳は、良い翻訳です。

日仏双方向で翻訳がきちんとできる能力は、翻訳技術を高めるのみならず、オーラルの通訳にも必ず役立ちますので、今後通訳を志す方にもお勧めしたいコースです。

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