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修了生メッセージ

現在のお仕事について

現在は外資系損害保険会社の社内通訳者として勤務しています。通訳者3人・翻訳者1人の4人チームで全社の通訳・翻訳の需要をカバーしています。全役員のうち日本語を話せない外国人が6人で、その役員が出席する社内会議の通訳業務が主な仕事です。その他、国外オフィスとのテレカンやビジター来日時のサポート等も行なっています。

具体的なお仕事内容について

簡易通訳機材を用いた社内会議のウィスパリング業務が最も多いですが、日本国内の支店や保険代理店を役員が訪問する際のアテンド、代理店・ブローカー向けのレセプションでの通訳などもあります。 基本的に最大2時間までの会議は1人で対応し、取締役会などより高い集中力を要する会議では2人体制・15分交代で対応しています。ビジター来日時など、常駐通訳でカバーしきれない場合はフリーランスの通訳者さんにヘルプで来ていただくこともあります。社内通訳者のうち1人がコーディネーターを兼任しているため、スケジュール調整や資料の手配も通訳チームの重要な業務の一部となっています。

サイマル・アカデミーを選んだ理由を教えてください。

元々通訳者になりたいと思って渡米したので、帰国後はすぐに通訳学校に入学するつもりでした。サイマルを選んだのは、やはりサイマル・インターナショナルという大手かつ老舗の通訳エージェントが提供している通訳者養成コースである点、日本の同時通訳のパイオニアである小松達也先生から直接指導を受けられる可能性があるという点が非常に大きかったです。また、サイマル・ビジネスコミュニケーションズ(SBC)からアカデミーでのレベルに合ったお仕事をご紹介いただけるチャンスがあるのも魅力でした。

ズバリ「社内通訳者」の魅力とは?

フリーランスと比較したとき、社内通訳者の利点として一番に挙げられるのは、「来月仕事がなかったらどうしよう・・・」という心配をしなくてもいいところです。もちろん社内通訳者でも契約が更新されないこともありますし、永遠に収入が保証されているわけではありませんが、会社に所属している分フリーランスより安定しているのは確かです。
経済的な安定だけではなく、役員会議など経営トップの会議から現場に近いミーティングまで、ビジネスの最先端のスピード感を肌で感じながら幅広い内容の通訳に携わることができること、各業界のより深い知識を身に付けられること、そして所属している会社の一員として働くことでチームとしての一体感を感じられることなどが、私自身魅力と感じています。

湯口さんのキャリアアップ例

【大学卒業後】日系自動車部品メーカーの翻訳担当(派遣社員)
社会人経験ゼロの状態から、日系自動車部品メーカーの品質保証部門で翻訳担当に。
通訳Ⅰ・Ⅱ在籍時、海外からビジターが来た場合や外国人役員と日本人役員の会話を逐次通訳する機会もあり、逐次通訳の訓練がそのまま職場で役に立ちました。

【仕事①】外資系自動車メーカーのドイツ人付き秘書兼通訳・翻訳(派遣社員)
通訳Ⅲ進級時にSBCの紹介で、秘書兼通訳者として働き始める。
少しずつウィスパリング(同時)通訳の業務にも関わり、その後部門付き通訳・翻訳ポジションに異動。授業で逐次通訳の技術をしっかりと身に付けることが、ウィスパリング(同時)通訳時にきちんとした文章で話すスキルにも繋がっているということを実感しました。

【仕事②】外資系広告代理店の社内通訳(契約⇒正社員)
4年間勤務し、広告やマーケティング業界の経験を積む。

【仕事③】外資系メディカル専門広告代理店のプール制社内通訳(契約⇒正社員)
医療系の通訳に未経験で関わるチャンスがあることに興味を引かれ、トライ。

【現在】外資系損害保険会社のプール制通訳チームにて通訳・翻訳(紹介予定派遣⇒契約社員)
金融系の経験を積むため外資系損害保険会社へ転職。
翻訳専任の担当者がチームにいるため、90%以上が通訳業務となっています。

今後の目標を教えてください。

当面は現在の職場で損保業界の知識・経験の蓄積に努めていく予定です。その後は、別の社内通訳ポジションでさらに経験の幅を広げるのか、それともフリーランスに転向するのか、その時の状況や気持ち次第で考えるつもりです。ただ、社内通訳者でもフリーランスでも、指名される通訳者像は大きくは変わらないと思っています。しっかりとしたスキルがあり、一緒に気持ち良く仕事ができること。どのような現場でも求められるのはそのような人材だと思うので、それは常に意識していたいです。

これから通訳者をめざす方へのアドバイス 

グローバル化がここまで進んだ今の時代、「英語ができる人」は通訳者以外にもたくさんいます。その中で通訳者が存在意義を保ち続けるためには、スピーディーに正確かつ自然な訳出ができるのはもちろんですが、話し手が伝えたいことは何か、それを自分が出す訳を通じて聞き手がしっかりと理解できているかに常に注意を払い、両者に寄り添った思いやりのある通訳ができるということが重要になってくると思います。とはいえ、常にそのような理想的な通訳ができるわけではなく、私自身反省の毎日です。今日はあまりうまくいかなかったな・・・と思っても落ち込み過ぎず、次に活かそうと前を向けるポジティブさも通訳者には必要です。
通訳の勉強を開始してから通訳者として本格的に稼働するまで、そしてキャリアがある程度軌道に乗ってからも、各時期にいろいろな壁にぶつかると思います。でもあきらめず目の前の課題や仕事を一生懸命やっていれば何とかなりますのでがんばってください!私もがんばります!

湯口直子さん

社内通訳者

カリフォルニア大学卒業。帰国後、日系自動車部品メーカーに翻訳・通訳担当として就職。本格的に通訳者をめざすべくサイマル・アカデミーにて専門訓練を開始。通訳Ⅲに進級したところでサイマル・ビジネスコミュニケーションズ(SBC)に登録し、外資系自動車メーカーで外国人付き秘書兼通訳・翻訳から部門付き通訳・翻訳で経験を積む。現在は外資系損害保険会社のプール制にて通訳・翻訳を担当。