
クラスメイトと磨きあえたからこそ、辛くても楽しく続けてこれた
英語通訳者養成コース福地 颯人さん
サイマル・アカデミーに入学したきっかけ
「英語力」が自分の取柄のひとつだと思っていましたが仕事をやっていく中で、徐々に英語力が衰えている感覚を抱き「英語能力を突き詰めたらその先にどんな職業があるのだろうか」と考えるようになりました。
「通訳者・翻訳者になる本」などを通じてサイマルの存在を知り、通訳者が面白いのではと感じました。ものは試しと思い、夏期の短期クラスを受講し、その後通訳Ⅰからスタートしました。
思い出に残っている講師の言葉やクラスメイトとの交流
通訳Ⅰのとき、録音を通して聞こえてくる自分の声が、どうしても気持ち悪いということを講師に相談した際に「自分の声を好きになりなさい」と背中を押していただきました。また、通訳者の道は "It's a marathon"という言葉も印象に残っています。
通訳Ⅱ・Ⅲではアメリカ人のクラスメイトがいたのですが、日本語の知識量が尋常ではありませんでした。授業中の訳出しで「なかんずく」という表現を使っているのを聞いて、初めて日本語で外国人に負けたと感じました。
その方は先に修了し、今は通訳者として活躍していますが、その方に追いつくことを勝手に自分の一つの指標としています。
受講中の社内通訳の仕事について
サイマル・ビジネスコミュニケーションズ(SBC)の紹介で、商用車メーカーの社内通訳者として勤務していました。8名の通訳チームで全社の通訳(一部翻訳)をカバーしており、その中で私は開発/技術系部門を中心に担当していて、主に親子間の実務者会議にて通訳をしていました。
仕事で難しさを感じた部分
今回が通訳者デビューだったため基本的にすべてが初めてで難しかったです。在籍している社員の国籍が多様なため、英語のアクセント、独特な表現や語彙のバリエーションが多く、耳と頭を対応させるのがいつも難しいと感じています。
また、オンライン会議で通訳をする際に、逐次通訳のみであればPC1台で対応できるのですが、同時通訳が必要な場合は2回線使用してPC(英→日逐次用)とスマホ(日→英同通用)で対応することになります。会議がヒートアップしてくると日→英と英→日を行ったり来たりする頻度が高くなり、回線の切り替えやどちらが逐次でどちらが同通で話すべきなのかいつも混乱しそうになります。
仕事を始める前までは、このような通訳形態があると考えたこともなかったため、最初はかなり戸惑いましたし、今でも緊張します。
仕事と授業の相乗効果について
授業では、難しい教材を使い先生からの厳しい指導もあり、話者の速度に遅れることなくどうやって必要な情報をメモに残せるか、どうやって言葉に詰まらず訳を出せるかを常に考えるクセがつきました。これがそのまま仕事でもかなり活きています。
また、以前はアカデミー以外の場所で自分の訳出しを人に聞いてもらう機会がほぼゼロだったのですが、仕事が始まると基本的にフルタイムで通訳をしていることになるため、実践の場が圧倒的に増えて自分のパフォーマンスを振り返るチャンスが増えました。
実践と事前準備のサイクルの頻度も上がるため、通訳時の体力もつきました。授業は土曜日の朝10時から午後15時までの長丁場で、最初は授業後、しばらく横になるくらい疲労困憊だったのですが、最近ではそこまで疲れを感じなくなりました。
社内通訳者のメリット
職場には通訳チームが存在し「チームとしてどうすれば改善していけるか」という機運を強く感じます。通訳者というとどこか一匹狼、自分の力だけでなんとかしていかないといけない、というようなイメージを持っていたので、これはいい意味で意外でした。
孤立してしまうことなく、それでいて成長できるチャンスがあると感じられるので通訳者としての初仕事でこのような職場にいられて恵まれていると感じました。
今後の目標
今後は、通訳者としてやれるものはなんでもやっていきたいと思っています。
通訳者はあくまで黒子だというのは大前提ですが、自分の通訳が音声や映像として何かしらの形で残せるような、そういう場で活躍できる通訳者になりたいです。
これから通訳者をめざす方へのメッセージ
自分は通訳Ⅰから始めて卒業まで丸4年かかりましたし、途中で進級できなかった時は「疲れたしちょっとやめてもいいかな」とよぎることもありました。それでもクラスメイトとのつながりができて、磨きあえたからこそ辛くても楽しく続けてこれました。
夢や目標が叶うかは誰も確約してくれませんが、サイマル・アカデミーに投じた努力・時間は絶対に無駄にはなりません。
つら楽しいマインドで前へ前へ進んでいきましょう!
福地さんの受講クラス
通訳Ⅰ→通訳Ⅱ→通訳Ⅲ→通訳Ⅳ→会議通訳Ⅰ→会議通訳Ⅱ