受講生メッセージ
福地颯人さん
通訳者養成コース
社内通訳と授業の相乗効果で
実践の場が圧倒的に増えました
現在の仕事内容について教えてください。
商用車メーカーの社内通訳者として勤務しています。フルタイム・パートタイム含めて通訳者8人チームで全社の通訳(一部翻訳)をカバーしており、その中で私は開発/技術系部門を中心に担当しています。
社内には外国人が多数在籍している一方、親会社の役員や社員には英語が話せない方が多いため、主に親子間の実務者会議にて通訳を担当しています。
また日本国内の取引先企業、海外の取引先企業、海外オフィスとのオンライン会議や対面会議での通訳も担当しております。他には工場見学ツアー、オンラインでライブ放送するタウンホールミーティング、外部講師による講演/レクチャーといったイベントも不定期で担当しております。
仕事で難しいと感じる部分はどこでしょうか。
今回が通訳者デビューだったため基本的に全てが初めてで難しく、勉強を続ける日々です。在籍している社員の国籍がとても多様なため、英語のアクセント、独特な表現や語彙のバリエーションが多く、耳と頭を対応させるのがいつも難しいと感じています。
また、オンライン会議で通訳をする際に、逐次通訳のみであればPC1台で対応できるのですが、同時通訳が必要な場合は2回線使用してPC(英→日逐次用)とスマホ(日→英同通用)で対応することになります。会議がヒートアップしてくると日→英と英→日を行ったり来たりする頻度が高くなり、回線の切り替えやどちらが逐次でどちらが同通で話すべきなのかいつも混乱しそうになります。
仕事を始める前までは、このような通訳形態があると考えたこともなかったため、最初はかなり戸惑いましたし、今でも緊張します。
授業の内容はどのように仕事に活かされていますか?
授業では、難しい教材を使い先生からの厳しい指導もあり、話者の速度に遅れることなくどうやって必要な情報をメモに残せるか、どうやって言葉に詰まらず訳を出せるかを常に考えるクセがつきました。これがそのまま仕事でもかなり活きています。
逆に、仕事での学びが授業に活きたことは?
通訳者として仕事を始める前は、アカデミー以外の場所で人に自分の訳出しを聞いてもらう機会がほぼゼロだったのですが、仕事として始めると基本的にフルタイムで通訳をしていることになるため、実践の場が圧倒的に増えて自分のパフォーマンスを振り返るチャンスが増えました。
また、実践と事前準備のサイクルの頻度も上がるため通訳時の体力がついた気がします。サイマル・アカデミーでは土曜日のコースを受けているため朝10時から午後15時までの長丁場で、以前は授業後、しばらく横になるくらい疲労困憊だったのですが、最近ではそこまで疲れを感じなくなりました。
社内通訳者のメリット
職場には通訳チームが存在し「チームとしてどうすれば改善していけるか」という機運を強く感じます。通訳者というとどこか一匹狼、自分の力だけでなんとかしていかないといけない、というようなイメージを持っていたので、これはいい意味で意外でした。
孤立してしまうことなく、それでいて成長できるチャンスがあると感じられるので通訳者としての初仕事でこのような職場にいられて恵まれていると感じています。