講座詳細

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英日実務翻訳講座

講座

  • 全10回
  • 課題 1回
  • 受講期間 約6カ月

受講料 36,720円(税込)

英日実務翻訳講座

講師

成瀬 由紀雄(翻訳者、サイマル・アカデミー 翻訳者養成コース講師)

対象

  • プロ翻訳者を本気で目指す翻訳学習者
  • 自己流で翻訳を勉強した方、またはしている方
  • 理論に裏づけされた翻訳学習をしたい方

サイマルアカデミー翻訳者養成コース基礎科修了相当レベル。一般的な英文テキストを過不足なく読解できる。日本語の文章を書くことにある程度習熟している。

教材

テキスト(PDF)、参考図書リスト(PDF)

ご注意

本講座の課題は添削課題ではありません。評価表をお送りします。

「心から心へ」 - 書き手の思いを日本語で伝える

「知のグローバル化」が進む現在、英語を英語のままで読める日本人が増えています。原文の代替品としての翻訳ではなく、自然な日本語らしい日本語で書かれ、誰が読んでもわかりやすい日本語として自律したレベルの高い翻訳へのニーズは増えてくるでしょう。

この講座は、英文和訳という古い翻訳モデルに代わるべき、翻訳モデルを学ぶための講座です。新しい翻訳モデルは英文和訳のように英単語を日本語に置き換える、つまり言葉と言葉をつなぐだけの翻訳モデルではありません。書き手の心情まで汲み取って英文を深く理解し、読み手に伝わる日本語で表現する、つまり人間の心と心をつなぐことを中心に捉えた翻訳モデルです。

英語と日本語の違いなどの言語的知識、翻訳の歴史、そして翻訳の知識といった、翻訳をする上での基礎知識を最初に学習します。基礎知識の学習後、原作者が伝えたい内容をきちんと理解できるようになるために、「翻訳のつぼ」としてさまざまな翻訳手法をご紹介します。

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毎回のレッスンには、プロの翻訳者を目指す上で是非知っておきたいこと、知っておいてほしいことなど有意義な情報として、現役の翻訳者、通訳者、翻訳コーディネーターと講師とのインタビューがあります。

  • カリキュラム
  • 課題
  • 講師から
  • 講師紹介

カリキュラム

レッスンタイトル 内容 時間
1 英語の世界、日本語の世界 英語と日本語では「世界認識における視点」、「文の基本構造」が違います。この違いにより、言語形式や表現方法が大きく異なります。こうした英語と日本語の言語的相違点を説明する中で、英文和訳モデルの問題点を浮き彫りにし、なぜレベルの高い翻訳をする必要があるのかについてお話しします。 約42分
2 翻訳とは何か 直訳と英文和訳を「翻訳モデル」として捉えたときの問題点を踏まえて、本講座が提案する「心から心への翻訳」とは何か、そしてよい翻訳をするための留意点について、「訳すべき要素」「翻訳の規律」「翻訳のプロセス」「訳出基準」というテーマでご説明します。 約48分
3 翻訳のつぼ
「名詞認識、動詞認識を訳す」
レッスン1と2で学んだ翻訳のための基礎知識をもとに、レッスン3からは翻訳する上での「つぼ」の実践例を見ていきます。英語と日本語では名詞・動詞の認識構造が異なるため訳出が簡単ではありませんが、この違いをきちんと理解することで翻訳のクオリティを向上させることができます。名詞認識においては「英語の三層構造」を、動詞認識では「時空間認識」「能動・受動」「モダリティ」を取り上げ、認識の違いにどのように対応すればよいか考えます。 約53分
4 翻訳のつぼ
「トピック認識、指示・代名詞認識を訳す」
日本語が常に明確なトピックを示す「~は」というトピックマーカーを持っている一方、英語にはありません。明確なトピックマーカーのない英文におけるトピックが何かを正確に掴むことは、翻訳においてとても重要です。また、指示・代名詞認識のあり方や利用方法も英語と日本語では大きく異なります。これらの違いを説明しながら、実際に訳出する際にどのように処理をすればよいか、例文を使って解説します。 約52分
5 翻訳のつぼ
「原文を書き換えてから訳出する Part 1」
原文の書き換えという手法は、原文を多角的に読み、言葉を通して表現される人間の心を汲み取るには、とても有効な手法の1つです。このレッスンでは、「原文を書き換えてから訳出する」のパート1として、「Nominalization」「分詞構文・独立分詞構文」「前置詞句」の書き換えを通して、自然な日本語の訳文を作り出す過程をお見せします。 約35分
6 翻訳のつぼ
「原文を書き換えてから訳出する Part 2」
レッスン5に続き、「原文の書き換え」という翻訳手法について、内容の高度なセンテンスやテクストを対象にして、さらに考察を進めていきます。私たちは言語を意味のかたまりである「意味チャンク」を思考の単位として、時間の流れに合わせて動的に理解しています。より正確で自然な訳出を行うために、意味チャンクをより明確な言語表現として表し、その上で原文を読み、その内容を翻訳するという手法を取り上げます。 約64分
7 翻訳のつぼ
「テクスト構造を訳出する」
本講座の「翻訳の基準」の1つは「訳出の最終単位はテクストとする」としています。なぜなら、翻訳ではテクスト全体が分かってこそ部分が訳せるからです。また、センテンスとセンテンスの関係についても注意深く訳すことも重要です。そうしなければセンテンスごとの意味はわかっても、テクスト全体の内容はよく分からない訳文になってしまいます。このレッスンでは、英語の実務文のテクスト構造を読みとるための知識として、実務翻訳の原文テクストの基本形といえるアカデミック・ライティングを紹介します。このライティング形式を踏まえながら、テクストの内容理解を深める手法としてテクスト構造を図で表してから訳出する方法を紹介します。 約44分
8 翻訳のつぼ
「よい文章をつくる」
良質の文章の特質として「無駄のなさ」と「わかりやすさ」の2点が挙げられます。実務翻訳のテクストは専門性が高く、内容も難しいものが多いです。その上、必ずしもよい英文で書かれているとは限りません。わかりやすい翻訳とは、内容のレベルを落すことではなく、難しい内容のものでも一定の知識があれば誰にでもわかるように書くことです。こうしたよい文章をつくるために、原文から無駄な部分を省く処理をした上で、その無駄を省いた原文を日本語に翻訳する手法と、原文の内容を変えることなく、構造を組み変えることで、わかりやすい原文にしてから翻訳する手法を紹介します。 約40分
9 翻訳のつぼ
「漢語化、直訳の改良、表記、情報技術」
「翻訳での意味チャンクの漢語化」「直訳的な日本語を求められる分野での翻訳のあり方」について翻訳例を使って考えていきます。そのあとに、これまでの様々な訳出方法から離れて、翻訳のクオリティを上げるために必要な知識・情報として、「日本語の表記(漢字、仮名遣い、送り仮名、句読点の打ち方など)」「翻訳に活用できる情報技術」について解説します。 約61分
10 翻訳のつぼ
「文体、翻訳プロジェクト」
翻訳者にとって必要不可欠な能力のひとつに文体感覚があります。テクストが持つ文体の違いを感じ取る感覚が欠けていると深い部分まで文章をきちんと読むことができず、よい訳出につなげることができなくなります。このレッスンでは、実務翻訳の文体の学習と、英語の文体を決める要素について具体例を挙げて説明します。最後に、翻訳プロジェクト(プロ翻訳者となって翻訳会社と一緒に行う翻訳の仕事)を取り上げ、実務翻訳プロジェクトの流れとプロジェクトで翻訳者が果たすべき役割について説明します。 約55分

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課題

講座受講後に課題として修了テストが付いています。2種類の原文テクストを翻訳していただきます。
講師のコメントと評価表をお送りします。

修了テストの評価が高かった方は、翻訳者登録のご希望があれば株式会社サイマル・インターナショナルにご紹介いたします。ご登録には、別途審査があります。

翻訳者登録された方の声

バイマン-小林 佳奈 さん
翻訳という仕事に誠実でありたい

「英日実務翻訳講座」を受講した最大の理由は、「翻訳という仕事に誠実でありたい」ということでした。2009年からドイツに住み、知り合いの紹介で登録した翻訳会社からウェブサイトのコンテンツを英日翻訳する依頼を受けていましたが、英日翻訳の訓練を受けた経験がなく、「私は翻訳料ドロボウ?」と自分の仕事に疑問を感じていました。過去に翻訳者養成コースで日英翻訳を2年間勉強し、「言葉面ではなく、意味を訳す」という心得を教わったものの、日→英と英→日では実際の翻訳テクニックが異なります。通学できない環境で、そうしたテクニックをどのように習得し、数多ある学習書やオンライン講座の中からどれを「よりどころ」とすべきか、悩んでいました。そんな時、成瀬由紀雄先生による「英日実務翻訳講座」の開講を知り、受講を即決しました。

本講座では、日本語の特性に始まり様々な翻訳テクニックを学びましたが、それにも増して重要なのが専門知識であることを痛感させられました。また、「何度も読み返す必要がある翻訳は、それだけで誤訳である」という成瀬先生のご指摘に、翻訳という仕事に対する自分の甘さにも気づかされました。ですが、「100%をめざすというより、一歩上をめざして、60%のものを65%にする」努力の大切さも教えてくださり、本講座を繰り返し何度も拝聴しました。

受講後の修了課題の結果、リンクトランス・サイマルに登録することができ、工事請負契約書、米国の食品安全監査、企業の与信管理に関する文書を英日翻訳いたしました。締切りに追われると、つい基本を忘れそうになりますが、「原文に引きずられず、書き手の真意を自然な日本語で表現する」、「文章のつながりを意識して、必要に応じて日本語を補う」よう心がけています。訳者に求められる技能と知識の多さに圧倒されて尻込みしている場合ではありません。ぐっと踏みとどまって根気強く一歩上をめざす努力を繰り返していきたいと思います。

翻訳者登録後の担当案件

社内向け発表文、社外向けサービス紹介カタログ、業界動向レポートなど、幅広い分野・業界で英日翻訳を担当。

中谷 朋子 さん
「心から心への翻訳」を原則に、原文の「心」に近づけようと努力しています

フリーランスで翻訳や校閲の仕事を始めて2年目、翻訳対象の用途に応じた表現の確立に悩んでいた私は、その解決策を模索していました。その過程で見つけたのが「英日実務翻訳講座」です。仕事をしながらでも無理なく受講できることも決め手となりました。

実際に受講をしてみると、想像以上に素晴らしい講座でした。それ以前にも延べ3年間、他校の通信講座、通学講座、インターネット講座、書籍を通して学ぶ機会を持ちましたが、この講座はそれらとは全く異なりました。単に翻訳の技術を教えるのではなく、より洗練された訳文を生むための原則「心から心への翻訳」すなわち「英語の心から日本語の心へと移し替える翻訳」に則った指導がなされています。この原則は、翻訳のあらゆる局面において「原文に限りなく忠実だがステレオタイプにとどまらない」自由度の高い優れた訳文を生み出せると感じています。技術面においても、リズム感のある訳文の作成等、具体的で高度な内容が処々で紹介されています。

受講中に学んだことは、現在の翻訳業務に活きていると思います。「心から心への翻訳」を原則に、英文には存在しない表現を足す、または英文には存在する表現を引くなどして、原文の「心」に近づけようと努力しています。訳文にリズム感を持たせることについても、意識的になりました。

翻訳者登録後の担当案件

翻訳:環境関連や企業の役員のメッセージ等の英日翻訳。

校閲:特許、契約書、金融、学術会議報告、セミナー資料、企業のプロジェクト関連(英日・日英) 。

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講師から

受講者のみなさまへ

翻訳の勉強をしたいけれど、単なる英文和訳の応用では違う気がする。でもそれ以外に一体どんな方法で翻訳をすればよいのかがわからない……。本講座は、そういった方々のための翻訳講座です。

近年の言語研究の進展には目覚ましいものがあり、とくに認知言語学の領域では数々の革新的な成果が生み出されています。それを受けて翻訳の世界でも、「言葉と言葉をつなぐ」のではなく「心と心をつなぐ」ことを翻訳と捉えることが理論的にもできるようになりました。また日本語の研究が大きく進んだことによって、従来の「原文至上」主義から「原文・訳文平等」主義への転換も図られています。旧態依然たる英文和訳の世界を乗り越えるための条件が、いまようやく整ってきたのだといえます。

本講座では、最新の認知的、言語的な学問成果を踏まえながら、従来の英文和訳とはまったく異なるアプローチから、さまざまな翻訳手法を具体的にご紹介していきます。これまでの翻訳の枠組みには収まらない部分もありますが、いずれもきちんとした理論に裏打ちされたものですから、ご心配はありません。それぞれに学んでいただいたうえ、実践の場でぜひ活用していただければと思います。

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講師紹介

成瀬 由紀雄

翻訳者、サイマル・アカデミー 翻訳者養成コース講師

商社勤務、英語教師、英文誌編集者などを経てフリーランスの産業翻訳者に。サイマル・インターナショナルの英日翻訳にも従事。専門分野は経済財務。認知論や対照言語学を応用した新しい翻訳手法の開発にも取り組んでいる。

お申し込み受付中

英日実務翻訳講座

受講期間

お申し込み当日から180日間

2018年09月26日 から
2019年03月24日 まで

受講料

36,720円(税込)

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お申し込みの前に

受講に使用する環境でレッスン動画のご試聴に支障がないか、事前に動作確認用動画でご確認ください。
また、お支払い手続き後のキャンセルはお受けできません。

受講にあたって

教材について
すべての教材はマイページからダウンロードできます。
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