SIMUL CAFE
経験とスキルがポイントとなる「通訳者の収入」
通訳者をめざすにあたり、やはり気になるのは収入ではないでしょうか。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると通訳の平均年収は、500~600万と言われていますが、働き方や経験・能力によって通訳者の収入は大きく異なります。
ここでは、「社内」「フリーランス」通訳者として働く場合、どのぐらいの収入が得られるのか、詳しく解説していきます。
社内通訳者の収入

通訳者として働く人の20%程度は、正社員など正規の職員・従業員として就業しています。正規職員として働く場合は、所属先から決まった金額の給与が支払われます。所属先の規模や規定により金額はさまざまですが、固定給が支給されるため、安定度はナンバーワンです。
いろいろな業界、ポジションで就業して経験を積もうと、パートタイマー、派遣社員、契約社員として働く通訳者も多く、全体の40%ほどと言われています。この場合も長期就業を前提として、時給ベースで給与が支給されるケースが多く、収入は安定しています。
時給は、担当する仕事の内容によって変わり、英文事務や秘書兼通訳など、業務の一部として通訳する場合には2,000円~、部門付、プロジェクト付など通訳をメインにしたポジションで3,000円~が平均的です。通訳メインの仕事の年収は、平均500万円くらいといえるでしょう。
フリーランスの収入

正規職員や派遣社員などと兼務している人を含めると、通訳者として働く人の60%はフリーランスです。
フリーランス通訳者の多くは、登録先の通訳会社から仕事の紹介を受け、その仕事の報酬として通訳料の支払いを受けます。通訳内容や分野によって料金が変わる会社や、あらかじめ業務委託契約した拘束時間ごとのレート(単価)で料金が決まる会社など、支払い体系は通訳会社によって異なります。
社内会議や視察に同行して逐次通訳をするようなケースでは20,000円~50,000円/日程度、国際会議やVIPの挨拶などの同時通訳を行うようなケースでは、70,000円/日を超える報酬となる場合もあります。
フリーランスをスタートしたばかりでレートが25,000円/日、月15日くらい仕事が入るとすると、年収は450万円くらいになります。経験を重ね、逐次通訳だけでなく同時通訳もできるようになると、日額50,000円も夢ではありません。その場合は同じように計算をすると、月15日稼働で年収は900万円になります。
フリーランスで収入アップしていくためには、対応できる分野を増やす、土日や出張にも柔軟に対応できる、そして何よりスキルアップをしてレートを上げていくことが大切です。経験と実力を高めるたゆまぬ努力に加え、クライアントや通訳会社から信頼を得て、リピート案件を増やしていくことも重要と言えます。
通訳技術を証明する方法
就職や転職にあたって、英検やTOEICを受験して英語力を証明する方は多いと思います。では、通訳技術を証明したい場合はどうしたら良いでしょうか。職務経歴書を通じて通訳実績をアピールできれば一番良いですが、これから経験を積もうとしている方は、通訳訓練スクールの修了証やビジネス通訳検定(TOBIS)で取得した級で通訳スキルの証明とすることも可能です。
通訳者の収入は働き方により、また同じ働き方の中でも経験と能力により、大きく異なることを見てきました。収入アップ方法や通訳技術の証明方法を参考にして、通訳者としてのキャリア形成について考えてみてください。